夫婦とは

撮りためていた番組から

樹木希林さんと内田裕也さん夫婦の話を見ました。ちょうど希林さんの本を読んだばかり。


娘の也哉子さんにとっての両親。

複雑な子供時代は想像を絶します。

希林さんの死後に発見した手紙には

互いが互いに感謝するも文面。

感謝とか愛してるの文字、

なんだかじーんときました。

娘も知らなかった、立ち入れない絆。


私の話になりますが、物心ついたころから両親は不仲でした。祖父母も同居でしたので歯止めがきいたのか、いや、母のストレスを増長させたのは祖父母の存在だったと思います。昭和の家長制度そのもの。


父は晩年、心不全、腎不全で入院。その後3年ほど、施設と病院の出入りを繰り返しました。私は3人娘ですが、交代で見舞い、母には行かなくていいと伝えました。添い遂げて60年余り、もう母を解放してあげたかった。



それなのに父に最期に会ったのは母でした。もう先は長くないと思える容態で、母も時々顔を出していたようです。


亡くなる前の日に妹夫妻が行き、その夕方に母がひとりで。朦朧としている父に水差しで口を潤したあと「手を握ってみて」と言うと、しっかり握ったそうです。だからまだ大丈夫と思ったようですが、翌日、暁の頃に亡くなりました。


最期に会えてよかったね、というより

母と父が手を握り合うなんて

ありえないことだったから

夫婦って奇妙だなと今でも思います。